家の格は、体が喜ぶ室内環境で決まる

平成27年8月30日

森の駅推進協議会 代表幹事 岡本守生

衣食住の自然への回帰は、衣食では、素晴らしいものがあります。
食では、有機栽培の穀物や野菜果物が出回り、衣では、頑固に自然繊維に固執する多くの生活者がおります。
日本の食が世界文化遺産になり、自然繊維と親戚の日本の和紙が、同様に、世界文化遺産になりました。
培った日本の文化が、次第に認められているようです。 

然し、住まいの分野では、自然への回帰に関する記事は全くと言ってよいほどありません。
自然な建物のその良さを啓発しても、反応はいまいち、まだまだ夜明け前です。
また、排気ガスや空からの汚染物質のように外での環境には目くじらを立てる環境ウオッチャーも、案外、室内空間の環境には寛大なようです。

家を建てる際に、先ず、色々なコンセプトに基づいてデザインを考えます。
殆どが、一生に一度、たまに二度のことですから、人生のデザインを考えるようなものです。
然し、ここで既に、設計事務所や工務店任せになっていませんか。
任せられたデザイナーは、大喜びで、眼や手が喜ぶような新しいデザインへ挑戦します。
そのコンセプトは、1恰好の良いデザイン  2効率と利便性  3電化に依る快適な生活  等でしょう。
入居した途端に価額が下がるような、化学品で飾られたチャラチャラした住まいです。
1 健康で、住むほどに価値の増す百年住宅からは、ほど遠く、
2 築後26、27年で建替えになり、リサイクルやリユースの出来ないものが殆んど。
こうした家になってしまいます。

先ず、健全なる精神は、健全なる身体に宿ると言われますが、「健全なる心身は健全なる住まいに宿る」、ことを忘れています。
次に、一昔前ですが、環境時代に入るころ、既存の生産工学に対して還元工学と言う工学が唱えられましたが、現在の住宅産業界にはこうした概念は全くないようです。
提案者も26年後のことはどうでも良いのです。
恰好よくて建築雑誌にでも取り上げられる方が大切なのでしょう。

この段階で、貴方の今後の人生で、最も大切な健康の視点を既に喪失されています。
大枚を払うのですから、ここで、踏ん張るべきです。
先ず、体が喜ぶような室内環境に就いて、自らのコンセプトを確っかり伝え、その上で任せるべきでしょう。
自分の家にいる時こそ、ゆっくりとした自然と共生した、しかも健康な空間でありたい、更に、予算の関係があるならば建坪を減らしても、と健康への願いを明確に伝えましょう。
それを色々な理由を付けて拒む方は、貴方の住まいの建築士としては失格です。
1 自然の移り変わりがあるが、その土地の風土に合った素材とデザインを尊重する
2 先ずは、生きている木材を健康素材として活かし、住まいでの健康(元気)を貰う。
こうした住まいは、住めば住むほどに良い住まいになります。
子供も孫も、住みたいと云いたくなるような健康のオーラを発している住まいになります。
自然な衣食と同様に、自然に活かされる住まいです。
何となく風格のある、品格のある長期の住まいですが、如何ですか。