寝たきり老人の過去の住まいは?

H26.8.11 森の駅推進協議会 代表幹事 岡本守生

寝たきり老人の過去の住まいは?  
平成26年7月末に発表されました平均寿命は、
 男性が80.21歳。 女性は86.61歳です。
 これは死亡年齢の平均ではないことは承知していますが、医療水準の向上などに合せ平均寿命は延びています。医療費や介護費が50兆円も使用されている実情です。

また、平成22年に厚生労働省が発表した健康寿命は、下記の通りです。
 なお、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活出来る期間、とありますが、病気を持っていても、人の手を借りず自立した生活の出来る方は健康とみなされています。
  男性が70.42歳   平均寿命との差 約10年
  女性は73.62歳   同じく     約13年
 更に、健康でない人は何人ぐらいかと、同じく平成22年に発表された人口統計に依って調べましたところ、大凡ですが、
70.42歳以上の男性は、 11131千人。
73.62歳以上の女性は、  9589千人。 合計が20720千人でした。 
予想数と実数では根拠が違いますが、面白い結果です。

また、以前から関心のある、寝た切り老人の数ですが、同様に、平成22年の要介護度3,4,5の合計を見ますと、合計1927千人で、健康でない人の9.3%になります。
長期ケア施設における寝たきり老人の割合は、スエーデンでは4.2%であるのに、日本では、33.8%と言われています(山川和則著「世界の高齢者福祉」)。これら等で、不健康な老人の三分の一は、寝たきり老人とばかり思っていましたので、9.3%は意外な数字でした。
然し、外国との高い比率の差は、単に宗教観や家族道徳観の違いだけではないような気がします。この原因は、何に由来するのでしょうか。過剰な医療、歪な衣食住の生活環境等、過去の調査や、科学的な実証がされていない現在では分かりません。
 とりわけ、反自然的な衣食住と不摂生な生活によるものが多い、と推測しています。
 自然な食と衣は、生活生協等の市民運動を伴った活動や、厚生労働省の食生活の改善提案等で、自然へ回帰された方が多く確認されています。
然し、「自然な住まい」に就いては、唱える人は全く少数で、調査・実践はこれからです。

短期間の研究実験では、九州大学の藤本登留先生、清水邦義先生の素晴らしい研究があります。残念ながら、長期間に及ぶ調査や研究はありません。
せめて、寝たきり老人の9.3%の過去の住まい模様を知りたいものです。
都会生活者だったのか、田舎の生活者だったのか、コンクリートの住宅だったか、一戸建住宅だったのか。なお言えば、それは本ものの木でつくられた旧住宅系なのか、利便性重視の新住宅系なのか等のデータ―があれば、欲しいものです。
我々の役目かも知れませんが・・・。