メルマガ138

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「森の駅発」メルマガ NO.138
2021 February

世界が直面する新型コロナ感染症撲滅と、皆様の健康な日々を願っております。
森の駅推進協議会一同

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C・O・N・T・E・N・T・S
美術コラム「若き北斎が描く、挽物を製作する木地師」戸田吉彦
山小屋通信「木製ままごとキッチン作り」大森 明
当会製品案内「新時代の、国産木材・防災ルーム」市川皓一

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美術コラム「若き北斎が描く、挽物を製作する木地師」戸田 吉彦
葛飾北斎 狂歌絵本 さむたらかすみ 1798年 シカゴ美術館蔵 https://www.artic.edu/collection (Public domain)

 北斎が描いた絵には職人の姿が多く、どれも愛情に溢れた眼差しです。
 北斎が古希を過ぎて描いた『冨嶽三十六景』の「遠江山中」から、江戸時代に植林が
始まった天竜杉檜の製材風景を以前紹介しました(No.134号)が、今回は北斎が絵師と
して独立した若い時期の、狂歌絵本の「さむたらかすみ」からご紹介致します。

 花の蕾がほころび始める頃、冠雪の富士が見える家を旅人が訪問した情景です。
 荷物を下ろし縁側で煙管に火を点け、娘が茶を出す様子から通りすがりではない予定の
客と想像がつきます。座敷では年配の男が何かを当てているその先を、女房が紐で回し、
周囲には同じ器が多数並び、手回しロクロで製品を作っている最中と分かります。旅人は
冬が明けた早春の頃、約束の品を取りに来た商人でしょう。
 茶を出す娘が、客の荷物に差し挟まれた花に目を向けた姿に情緒があります。
 家内制手工業の様子から女たちは母と娘なのでしょうか。ほっそりした女性像はこの時
の北斎の名前から宗理型美人と呼ばれ、この時代に人気があった美人画の傾向でした。

 木工に詳しい方にはお分かりの通り、この絵は木地師(きじし)と挽物(ひきもの)を
描いていますが、数ある職業の中で木地師が浮世絵に描かれたのは珍しいと思います。
 ご存知の通り木挽きは木を伐ることですが、木地師は木材を回転させて器を作る職人を
指し、挽物は回転して作った工芸品、お椀など漆器の漆(うるし)を塗る前段階を作ると
いえば分かりやすいのですが、漆を塗らない木地の仕様もあり、木地師が彫刻や象嵌、漆
まで施すこともありますが、何よりも木が歪まないようにしながら、器としてのバランス
の良さ、手にした時の滑らかな心地良さに向けて仕上げることが求められます。
 ろくろを使い木を加工するこの技術は、お盆、盛器、茶托、棗(なつめ)、茶筒、茶櫃
(ちゃびつ)の他、香合(こうごう)やこけし、独楽など対象は多岐に渡り、祭の山車の
高欄や木橋の擬宝珠も作る一千数百年の歴史ある伝統工芸で、高度な技が求められるので
後継者が育ちづらい時代ですが、趣味として始める人々も現れているそうです。

 この絵に再び目を向けると、左に北斎宗理の落款があり、長く師事した勝川春章の死後
に一門を離れ、琳派の俵屋宗理二代目を襲名して名乗っていた短い間の名作です。
 独立は兄弟子との仲違いが原因とも言われ、入門以来長く携わった売れ筋の役者絵から
離れ、蔦屋重三郎の声がけで狂歌の世界に画業が広がり、以後北斎は狂歌の世界での作画
を得意分野とし、狂歌は和歌の形式で社会を軽妙に風刺し江戸時代は大変盛んでした。
 狂歌集「さむたらかすみ」は千穐(せんしゅう)庵三陀羅法師の編纂による狂歌集で、
「さむたら」は「さんだら」と読み、参加者の唐衣橘洲は幕臣、浅草庵市人は質屋、十返
舎一九や式亭三馬は戯作者といった顔触れから分かるように、狂歌師の集まりの狂歌連は
士農工商の身分を超え純粋に才能を競い楽しむ集まりです。狂歌師と絵師の美意識で作り
仲間へ配る狂歌摺物は、浮世絵の中でも値がつけられず究極の贅沢と言われています。

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山小屋通信 「木製ままごとキッチンづくり」 大森 明

昨年、ままごと調理セット(フライパンなどの調理器具から、ハンバーグ・目玉焼き・
ピーマン肉詰め・蓮根の肉挟み焼・信州おやきといったものまで)を木材で作り、
あちこちの幼児にプレゼントした。
それが予想以上に喜ばれたため俄然やる気が出て、
次は木製ままごとキッチンを作ろう!ということになった。

まずはシンクと調理台作り。
シンク・給水栓・扉のヒンジは金属だが、それ以外は手持ちの建築端材・
剪定した木の枝・古い木製家具・古いウッドデッキ材で製作することにした。
骨格はオルガン用の古い木製椅子を使った。

3枚の板をコの字型に組んだ昭和40年代のものと思われる焦茶色の椅子で、
座の部分は塗装を剥がして磨くと集成材のきれいな木目が出てきたので、
そのまま調理台の天板にした。
その調理台下に取り付けた引出しは2×4材端材と杉板端材の端材コンビで組んだ。

そして、給排水部分は水が流れるようにしたかったが今回は断念し、
給水パイプを曲がった木の枝で作った。
曲がった枝も役に立つ。
アクセントに、信州の山小屋で凍結してバラバラに壊れた
給水バルブの握り部分を使って、給水部分の本物感を狙ったのだが、
鋳物の給水栓は玩具としては重量感が出すぎたようだ。

昨年作った木製ピーマン肉詰め等の調理セットの多くは手元に無く、
出来上がったキッチンに並べられないのは残念だが、
木製の蓮根の肉挟み焼は、幼児がどう思おうが傑作だと自負している。
ご興味のある方はブログ
(大森山荘・森の工房 → https://oomorinoco.blogspot.com )
を覗いていただけると嬉しい限りです。
さて、キッチンというからには次はコンロを木で作らねば!と思い、只今構想中である。

                                    □写真・文章:大森氏

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当会製品案内「新時代の、国産木材・防災ルーム」市川皓一(編集部取材)

「リモートワークの抗菌書斎が、万一の時には防災シェルターへ」
新型コロナウイルス感染対策で、リモートワークと在宅勤務が広がる昨今、
自宅のワークスペースを、いざという時の堅牢で快適な防災シェルターとする提案です。
当会・住宅研究グループが開発した防災シェルター「命守」は、
日頃は書斎として使用し、震災時にはそのまま避難できる独立空間になります。

耐震強度は、阪神・淡路大震災級の強震を連続4回繰り返す公的実験を一発通過し、
全国自治体補助助成金制度の対象に認定されるなど、数々の公的機関が認めました。
無垢の杉をはじめヒノキや青ヒバなど国産材で造るので、樹精の抗菌性が心地よく、
心的ストレスが緩和、脳が活性化し集中力が増し記憶力が高まります(九大実験結果)。

設置に必要なスペースは約3.2帖。価格は加工済みの部材費が約80万円。
(森の駅推進協議会メンバーとメルマガを読まれた方のみの特別割引価格です)
お問い合わせ先:市川総合設計室<青ヒバの会>090-3229-5678 市川皓一

目的に合わせ様々な仕様
■扉の施錠等セキュリティ強化仕様 ■防音防振で遮音性を持たせた仕様
■トイレ、シャワー等配管施工&防水二重床で、水廻りを装備する仕様/自宅介護室等
■防水仕様の外壁・屋根部材と開口部ペアガラスで屋外仕様/ガーデンルーム等
■上記いづれも気密性が高まるので換気装備を設け、室内を静圧に保ちます。

防災健康シェルター「命守」の経緯
■ 平成29年度東京都市整備局が認定する、安価で信頼できる木造住宅の「耐震改修工法・装置」に認定。
■ 東京都内17区8市において、設置における助成金制度対象シェルター。
■ 全国自治体の建築指導課及び建築防災課から「命守」の補助助成に関して認定する旨の通知。
■ 東京都内における耐震キャンペーンにおいて三年連続出展。
■ 東京国際展示場(ビックサイト)のリフォーム展に二年連続出展。
■ 令和1年8月9日特許庁においてシェルターの意匠登録(第1640335号)
■商品名の『命守』は防災に特化した命名です。販売協力店の要請があれば、『リモートシェルター』
『ワークキャビン』『森のシェルター』等ご希望に沿ったネーミングも可能です。
■組立工程を映像化して動画にまとめ、スペースフレームの強度を見せる破壊実験も画像化しましたので、
DVDにまとめ、販売協力店に配布することも出来ます。

□写真・記事:編集部

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森の駅推進協議会では、日本の森林産業停滞の解決へ向け、森の駅発と称し、
下記の活動を行っています。あわせてご参照の上お役立て頂ければ幸いです。


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1「市民フォーラム」開催:
日本の森と日本の森が産み育てる国産木材、それを活かす健康な住環境をはじめ、
生活者の目線で市民の皆様の理解をすすめる講演会を広範囲な視点から企画開催。
内容や開催日など当メルマガ(下記3)でお知らせします。

2「健康住宅/森の駅発」の活動:
日本の森を元気にする!住む人を元気にする!住まいづくりのため集まった
プロ集団が「森に愛される家」を普及します。イベント情報もお届けします。
https://moriniaisareruie.jimdofree.com/

3「メールマガジン/「森の駅発」メルマガ」発行:
フォーラムや研究会のお知らせを、原則として毎月1回発行しています。
このメールマガジンのお問合せはこちらまで:happysun9@gmail.com

4 メルマガ・バックナンバー:
「森の駅発」メルマガのバックナンバーはこちらからご覧いただけます。
http://www.morinoekihatsu.net/merumaga.html

5「フェイスブック」の発行:
「森の駅発」のフェイスブックでも発信しています。仲間を募集しています。
https://www.facebook.com/健康住宅森の駅発-110930398990272/

6「ホームページ」の掲載:
上記の実績や森の駅推進議会全般については、森の駅発のHPをご覧下さい。
http://www.morinoekihatsu.net/

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