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「森の駅発」メルマガ NO.119 2019 July
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★ きさらづ里山の会 柴崎 則雄
「クロモジで里山再生」
★ 健康住宅研究会 市川 皓一
「耐震健康シェルター『命守』の誕生まで - 1」
★ 山小屋通信/山小屋登山隊レポート 大森 明
「高座岩」
★ 8月のご案内/戸田 吉彦
「野外観察会/青梅線西立川駅・昭和記念公園の樹林」
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森の駅推進協議会・きさらづ里山の会 柴崎 則雄
「クロモジで里山再生」
![](img/image54.png)
当会(きさらづ里山の会)は里山の荒廃を憂い、その保全・整備を行い、
里山の再生活動を実施している。しかし運営資金には事欠いている始末である。
さて当地に芳香木の「クロモジ」が自生していることを、この活動を通して知った。
クロモジと言えば「楊枝」として、また「香料・薬用」として用いられている。
実はここ千葉県の上総地区は、古くから手作り「クロモジ楊枝」の産地として有名で、
他の産地よりも香りと色が良いとの評判から、江戸へ出荷され高価に取引されていた。
しかし歯ブラシの出現(注)で衰退し、現在は茶道や菓子楊枝として僅かな利用のみ。
この現状を憂い、現在その伝統を守るため製作技術を伝承する取組みもなされている。
今や手作り楊枝の産地は、日本で唯一この上総地区だけのようである。
一方、我国の山林で自生している「クロモジ」は、日本独自の固有種とも言われる。
クロモジの木から採れる「クロモジ精油」は、アロマ業界で希少な精油として注目、
海外でも貴重な和の香りとして関心を集め始めていると聞く。
クロモジ精油の「和の香り」は、自然で化学薬品を含まず、オーガニックで純国産。
この将来性に着目し、里山再生の一手段として考えている。
現在、精油の多くは海外からの輸入であり、国内で栽培され抽出されているものも、
その種子や苗が海外産のものである実情を考えると、純国産の「和の香り」と言える
「クロモジ精油」が、今後ますます注目されるのではないか。
だが、クロモジの植生は森林荒廃により減少、クロモジ木の原料確保が大きな課題だ。
そこで、現在は苗を育て山へ植栽、その生育環境等の調査を大学機関に依頼している。
クロモジの研究文献は大変少なく、実のところ植栽の実施は試行錯誤しながらであり、
大学によるこの研究調査を大いに期待しているところであります。
陰樹性のクロモジは、杉・檜の針葉樹、小楢・クヌギ等の広葉樹の日陰の中でも育ち、
その特性から樹間栽培も可能で、萌芽更新もするため、新たな深林経営の資源として、
また耕作放棄地の解消にもつなげることができるのではないか。
肥料も農薬も使わず、クロモジを使う里山再生活動、それは地域資源の再発見であり、
地域の活性化に向けた新たな取り組みにつなげられると考えている。
参考文献:「江戸時代文化」昭和2年刊
「木材の工芸的利用」農商務省山林局編 明治45年刊
注:歯ブラシの出現までは歯のケアとして「房楊枝」が使われていた。長さ20cm位、
片側が房状(筆状)で反対側が突起状。房状の方で歯磨きとお歯黒に用いていた。
反対側の尖った部分がつま(爪、妻)楊枝や菓子楊枝で、現在の形に変化した。
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森の駅推進協議会・健康住宅研究会 市川 皓一
「耐震健康シェルター『命守』の誕生まで - 1」
いつ発生してもおかしくない巨大地震。
震度5前後ではつい最近日本海の新潟、山形方面から太平洋側の茨城、千葉、静岡で発生しています。
東海、東南海の地殻変動は、この先30年に70%の確率で起きる事が予想されています。
そして、耐震健康シェルター「命守」を発表したのは熊本地震直後の事でした。
今まで長く、住まいづくりの会<青ヒバの会>を通して、健康住宅を広めてきました。
それは人工的な化成建材に依存せず、安心・安全の両面で考え、素材は天然材はじめ国産材100%、
しかも住環境を健康な自然素材を駆使して建設。
それがそのまま、森を守る事に直結して来ました。
オール国産材で造られた耐震健康シェルター「命守」のコンセプトも、その延長線上にあります。
戦後の成長経済の波に押し流され、健康に住まう事のチェックを忘れた工業化住宅に対抗し、
日本の匠たちの技術を継承し心地よく暮らす家づくりが、日本各地にあります。
しかし日本の在来軸組み構法には弱点のある事が、熊本地震で露呈してしまいました。
最大震度7以上の巨大地震には、先ず前震、そして本震、さらに余震があり、
継手仕口と木材のめり込みによって強度を確保している伝統工法は、
二度目、三度目の地震には弱い事が判明してしまったのです。
そこで耐震健康シェルター「命守」では、
伝統工法の特徴でもある柔構造の継手仕口部にコネクターを挿入して固め、
モノコック構造にし、住空間を守る軸組みのフレーム工法を採用しました。
すると、大きな横揺れに下から突き上げてくる直下型地震にもびくともしません。
木材そのものが持っている軸応用力が機能し、面材に依存する事なく、
軸方向の圧縮強度を生かした、コンクリートの 3 ~ 4 倍の強度を持つシェルターになりました。
これまでも木材の耐震強度は構造計算でチェックされなくても、五重塔などで証明されていますが、
「命守」の採用したコネクター工法も計算上だけでなく、実験で証明される必要がありました。
そこで林野庁の助成金を得て、公的機関の振動台による実物大実験に臨みました。
「命守」を載せた振動台上では、阪神淡路地震の最大震度7の地震波や、
新潟県中部の直下型地震などを再現、延べ 5 回に及ぶ振動実験で、その強度を証明できたのです。
( 次号へ続きます )
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山小屋通信/山小屋登山隊レポート 大森 明
「高座岩」
![](img/image55.png)
昨年、長野県伊那側から入笠山に登った折、
途中コースアウトしてベ-スキャンプに戻ったのが夜になるという
失敗をおかした山小屋登山隊だが、今回ほぼ同じコースを辿って、高座岩に登ることにした。
高座岩は山岳地図や入笠山登山道の案内板で存在を知っていたが、訪れたことはなかった。
話によると昔の高僧が説法をした岩峰で、宗教的な聖地になっているとのこと。
眺望も良いらしい。更にその高僧は眼病守護でも有名!
と来れば、山好き&眼病持ちの当方にとって行かない手はない。
朝発ちで登山道にとりつき、小さな沢をいくつか渡り、鹿の鳴き声を聞きながら、
芽吹き前の明るい森や僅かに残る雪渓を眺めながらの山歩きは気持ちよい。
登山道は倒木や木の枝が多く、今年はまだ人があまり入ってないようだが、
地元の方々の設置した案内板が最近充実し、道を間違えずに済んだ(感謝)。
しかし尾根道に出る最後の急登で道が判らなくなり、やむなくケモノ道を辿った。
そうこうしているうちに辿りついた高座岩は標高1786 mの岩峰。
日本百名山にも信州百名山にも入ってないが、高度感のある岩峰だ。
よじ登ってみると眺めが非常に良く、伊那谷を挟んで眼前に中央アルプスがドーンと見える。
風も心地よい。
高座岩の下には草原の尾根道が通っていて、ずっと向うまでうねうねと続いている。
この尾根道は静かな山歩きが楽しめそうで、近いうちにぜひ歩きたい。
今回は標高差700 mを往路3時間・復路2時間かかったが、人で登山道が渋滞することもなく、
道に迷って夜になることもなく、静かで楽しい山歩きだった。
写真:高座岩と中央アルプス(筆者撮影)
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8月のご案内 戸田 吉彦
「野外観察会/青梅線西立川駅・昭和記念公園の樹林」
人と樹木の理想の関係を、桜井尚武先生に学ぶ「野外勉強会シリーズ」3回目は、
東京都立川市と昭島市にまたがる、日本を代表する「国営昭和記念公園」で開催します。
広大な敷地は東京ドームの約40倍、四季折々の美しい風景で都民、近隣県民に人気のスポット。
昭和30年代までの武蔵野の里山を再現した樹林や古民家、日本庭園など樹木の見所も満載です。
日時:8月24日(土)(雨天の場合は翌週土曜日の31日に延期)
朝10時に西立川駅改札口前集合。
交通:JR青梅線・西立川駅より徒歩2分
入園料:450円(65歳以上は公的証明書の提示で210円)
その他:弁当各自持参(園内売店で飲物は販売されています)にわか雨に備えた折り畳み傘
お問い合わせと参加予約:Tel. 090-9156-1554(担当:戸田)
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森の駅推進協議会では、日本の森林産業停滞の解決へ向け、森の駅発と称し、
下記の活動を行っています。あわせてご参照の上お役立て頂ければ幸いです。
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1「市民フォーラム」開催:
日本の森と日本の森が産み育てる国産木材、それを活かす健康な住環境をはじめ、
生活者の目線で市民の皆様の理解をすすめる講演会を広範囲な視点から企画開催。
内容や開催日など当メルマガ(下記3)でお知らせします。
2「健康住宅/森の駅発」の活動:
日本の森を元気にする!住む人を元気にする!住まいづくりのため集まったプロ
集団が「森に愛される家」を普及します。イベント情報もお届けします。
http://www.moriniaisareruie.com/
3「メールマガジン/「森の駅発」メルマガ」発行:
フォーラムや研究会のお知らせを、原則として毎月1回発行しています。
このメールマガジンのお問合せはこちらまで:happysun9@gmail.com
4「フェイスブック」の発行:
森の駅発のフェイスブックでも発信しています。仲間を募集しています。
https://www.facebook.com/健康住宅森の駅発-110930398990272/
5「ホームページ」の掲載:
上記の実績や森の駅推進議会全般については、森の駅発のHPをご覧下さい。
http://www.morinoekihatsu.net/
○● メールアドレスの変更、メルマガの解除はこちらまで。
happysun9@gmail.com
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