メルマガ111

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「森の駅発」メルマガ NO.111 2018 November

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★ シリーズ「想いを形に」No.19 岡本 守生
 「健康を放棄した住宅産業界の神話」
★ 森の駅推進協議会・健康住宅研究会 市川 皓一
 「耐震健康シェルターを住宅内に!」
★ コラム 戸田吉彦
 「What is the DUE DILIGENCE?(デュー・デリジェンスってなに?)」

★ 新・連載エッセイ/山小屋通信 大森 明
 「森のキノコ鍋」

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★シリーズ「想いを形に」No.19 岡本 守生
「健康を放棄した住宅産業界の神話」

現在は一般的に、生活者・市民が、調湿作用があり木の香りがする国産材木材に
関心を持つと言ったような社会ではありません。
何故なら、日本の住宅産業は、世界に類がないと言われる巨大な産業で、
その産業界は産官学で共につくり上げたものだからです。

産業である以上、安心を与えるように、クレームが起こらないように、
あらゆる智恵と工夫をして、神話をつくってきました。
見方を変えますと、電力業界よりも強力かもしれません。
材木しかり、部材しかり、法令しかり、研究しかり、です。

例えば、部材の安全の4スター制ですが、換気扇の設置の義務付けで、
成り立っているように言われています。
換気のように思われていますが、部材から発生する揮発性の物質の排気の為に、
義務付けているとも言われています。
(香りのある木材で住宅を建てた時、この換気扇は何の役に立つのでしょう?)

これ等の住宅メーカーや部品メーカーの誕生を見ると、大量生産や大量消費の
先頭に立つ化学や電器会社が母体の会社が多いようです。
驚くほど上手に作られた木材もどきや化学製品で成り立っているモデル住宅を
見ていると、何となく頷けます。
また電器製品を住宅に組み込むことによって、親孝行をしているのでしょう。

もう一つの問題は、使用木材の含水率を15%以下にしたことです。
多くの建築会社は、含水率15%以下の木材を指定せざる得なくなり、
高温乾燥材を使用するようになりました。
そして外国産材の天下になりました。

自然乾燥材に就いても平衡含水率が15%になる、と言う説もありますが、
伝統建築に拘った多くの製材所は困難だと言っています。
どうも住宅産業界が、自らの都合の良いように押し進めたきらいがあります。
含水率の平均化で、木材のゆがみ、歪みが無くクレームを免れるからです。

かくして自然乾燥材を主体とした建築が少なくなった、と言うよりも
出来なくなり、住宅産業界が我が世の春を謳歌するようになったのです。
同時に木造建築から「健康の概念」を放棄、破棄したのです。
これは国民の健康から考えますと、大きな罪悪です。

戦後の住宅事情から、産官学で産業を育てる必要があった事は分かりますが、
こうした住宅業界は、「健康の概念」を破棄しながら、住宅の標準化を進め、
注文住宅の新たな常識をつくり出しました。
このような社会をオカシイと思わない、歪な社会。
これこそが住宅産業界の神話なのです。

こうした神話の形成には、電力界同様、腑に落ちないエゴの匂いを覚えます。
含水率15%以下の木材使用を、最後に決めたのは官でしょうが、
推進したのは何処の人々なのか。この謎解きの出来る方はいませんか。

                              …次号へ続く

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★ 森の駅推進協議会・健康住宅研究会 市川 皓一
「耐震健康シェルターを住宅内に!」

先月、私たちが研究完成した、耐震シェルターの「命守」を
「東京都主催の耐震キャンペーン」で紹介いたしました。
「東京都ポータルサイト」でも推奨されていますので、ご覧になって下さい。

耐震健康シェルター「命守」は、生活空間である屋内に設置するタイプです。
主屋が外からの力で潰されても、安全な空間を維持する堅牢さが特徴です。
巨大地震が寝ている間に起きても、寝室がシェルターなら安心なのです。

☞「耐震健康シェルター・命守の耐震性」は、公的機関の試験で立証済み。
☞「標準装備で延焼時の耐炎・煙害防止」は、地震二次災害への万全な対策。
☞「短い工期」は、生活したまま引越の必要なく、経済的で好評(約3日)。
☞「直販低価格」は、木造家屋密集エリアへの普及を早く実現するためです。

モデルルーム(住宅内設置)で「リアルに体感」できます。

■ 見学のお問合せ、お申し込みは「木っず」(鹿沼健康住宅推進協議会)へ。
(電話)0289-77-5810  (メール)kkz@mr-woodman.co.jp
■ 住所:住宅内設置モデルルーム/旧渡辺邸 東京都荒川区東尾久6−52–11
■ 交通:都電荒川線・JR日暮里舎人ライナー熊野前の両駅から徒歩2分。
■ 商品詳細:「命守」で検索できます。 
http://www.moriniaisareruie.com/taishin.html

耐震健康シェルター『命守(いのちもり)』の特徴
❶ 対耐震性。公的機関耐震実験済み。強固な木造モノコック構造。
❷ 耐炎構造。耐火ボードで外装包囲、地震後に発生する火災から延焼防止。      
❸ 煙害の対策。床下給気ファンを標準装備、火災時の煙害にも安心。
❹ 価格150万円。 高品質シェルターを組立費込の低価格で実現。
❺ 工事期間3日。 短期間の工事で、引越しの必要がなく合理的。
❻ 日本の森を守る総国産材。林業に利益還元、国土を守ります。
❼ 低温乾燥木材を使用。樹木本来の調湿機能と抗菌防虫で健康に。
❽ 鹿沼職人の伝統技術。仕上がり美しく信頼出来る日本の匠。
❾ 現有戸建住宅内にインセット。寝ている間の地震にも安心。

〈巻末に「命守モデルルーム」の写真があります。ぜひご覧ください。〉

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★コラム 戸田 吉彦
「What is the DUE DILIGENCE?」
(デュー・デリジェンスってなに?)

すでにご存知の読者もおられると思いますが、先日ある会合で DUE DILIGENCE なる
言葉に出会い、木材とどう関係づけられ使われるのか?を学びました。
言葉の意味は、「当然(払われるべき)努力」、「相当な注意義務」に相当します。
木材に対し使われる時は、「違法でないことを確実にするための確認や調査」の意味。

具体的にはその木材や木材製品がどこから来たのか、誰が伐採、加工、流通したのか、
サプライチェーンの情報を集める段階からスタートします。
たとえば、国際自然保護連合のレッドリストや、ワシントン条約等で取引の規制や、
絶滅が危惧されている樹種は「樹種のリスク」が高いと判断されます。

次に、「伐採国・地域のリスク」をはかります。違法伐採が深刻な地域からの供給、
汚染腐敗の度合いが高い地域、伐採や木材生産を巡り問題が指摘されている地域の
供給ではないか?国際機関やNGOなどの個別のレポートをあたり調査します。

そして「リスク」があると分かれば、緩和・軽減するため、調達材を信頼度の高い
認証材に切り替えるよう、あるいはサプライヤーに認証取得を要請します。
非協力的なサプライヤーは取引を停止します。これらは自社で構築、行われます。

この DUE DILIGENCE を世界で最も早く義務化したヨーロッパはEU木材法を制定。
違法伐採木材の取引を禁じ、環境や社会に配慮した5項目を定めました。

日本でも2017年5月に、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律
(通称クリーンウッド法)が施行され、木材取扱業者には登録制度への登録を奨励、
登録事業者にデュー ディリジェンス(DD)実施を義務づけています。

よく聞くフェアウッドは、伐採地の環境や社会に配慮した木材・木材製品の事です。
フェアウッドの調達は、デュー ディリジェンスに基づき計画的、段階的な改善に
つながります。盗伐や許可量を超える伐採、先住民の権利侵害、数値かいざん、
書類の偽造・不正利用等を防ぐため、透明性、説明責任、信頼性の3要素が重要です。

以上、W-BRIDGEプロジェクト「クリーンウッド法の実効性向上に向けたフェアウッド調達の普及啓発」制作の冊子
をもとに記事を記しました。

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★新・連載エッセイ/山小屋通信 大森 明
「森のキノコ鍋」

以前、「キノコは森の掃除屋で、森の木々と共生しているものもある。

人間も歳をとったら、そうありたい…」などと書いたことがある。

今回、その有益なキノコ君たちに申し訳ないのだが、

山小屋登山隊で「森のキノコを採って食べよう!」ということになった。

登山隊がキノコを採るきっかけは、
夏から秋にかけて山の天気が安定しないこと(地球温暖化のせいだろうか)。
サラリーマンが多い山小屋登山隊としては、週末に晴れの日が続かないと、
テント担いで登山日和~♪という気分にならない。

今回は南アルプス・テント泊登山の予定だったが、

週末に良い天気が続かないのでテント泊を諦めて登山を1日で済ませ、

もう1日は森でキノコを採る、という流れになった次第だ。

キノコ採りといっても、場所は信州の山の中。
崖あり、沢あり、道なし、運が悪いとクマさんコンニチハの深い森で、
滑落に注意しながらキノコを探す。

いつも当方が採るキノコは“ジコボウ”(※注1)のみ。
他のキノコには手を出さない。今年は豊作で沢山とれた。
採った“ジコボウ”は下処理(※注2)の後、今までは味噌汁にしていたが、
今回はじめて「森のキノコ鍋」にした。

近隣の方が鍋にしていたのを真似して適当につくったのに、う、うまい! 
香りも強く、ぷりぷりの食感で、濃厚な味。
都会でよく市販されているキノコには無い、山の味と森の香り。
お酒にも合い、山小屋の夕食は充実したものとなった。

テント泊登山や、小屋泊まり縦走登山も楽しいが、
「日帰り登山+森のキノコ採り」というプランもまた楽しい。
山や森はいろいろな楽しみ方をプレゼントしてくれる。本当にありがたい。

※注1:“ジコボウ”正式名はハナイグチ。
茶色い傘の表面にナメコのようにヌメリがあり、傘の裏側は黄色いスポンジ状。
イグチ類のキノコは食べられるものが多く、毒のあるものは少ない。
慣れてくればその見分けをつけ易い種類のキノコだ(と思う)。

※注2:“ジコボウ”の下処理
傘の裏側にあるスポンジ状の部分を包丁で削いで水洗いし、さっと塩茹でする。
もし、こうすればもっと美味しくなるよ!という方法をご存じの方がおられたら、
お教えいただけると嬉しい。

〈巻末に筆者の写真がありますので、ぜひご覧下さい。〉               …次号へ続く

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 森の駅推進協議会では、日本の森林産業停滞の解決へ向け、森の駅発と称し、
 下記の活動を行っています。あわせてご参照の上お役立て頂ければ幸いです。

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1「市民フォーラム」開催:
日本の森と日本の森が産み育てる国産木材、それを活かす健康な住環境をはじめ、
生活者の目線で市民の皆様の理解をすすめる講演会を広範囲な視点から企画開催。
内容や開催日など当メルマガ(下記3)でお知らせします。

2「健康住宅/森の駅発」の活動:
日本の森を元気にする!住む人を元気にする!住まいづくりのため集まったプロ
集団が「森に愛される家」を普及します。イベント情報もお届けします。
       http://www.moriniaisareruie.com/
3「メールマガジン/「森の駅発」メルマガ」発行:
フォーラムや研究会のお知らせを、原則として毎月1回発行しています。
このメールマガジンのお問合せはこちらまで:happysun9@gmail.com

4「フェイスブック」の発行:
森の駅発のフェイスブックでも発信しています。仲間を募集しています。
       https://www.facebook.com/健康住宅森の駅発-110930398990272/
5 ホームページの掲載:
上記の実績や森の駅推進議会全般については、森の駅発のHPをご覧下さい。
       http://www.morinoekihatsu.net/

○● メールアドレスの変更、メルマガの解除はこちらまで。
       happysun9@gmail.com

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写真上:耐震健康シェルター「命守」入口より内部を見る
写真下:大森氏 組写真「ジコボウと森のキノコ鍋」