外材がなぜ普及したのか

商品開発と合理化を怠ったツケが回ってきた国産材に対して、高くてもきちんと寸法通りに製材され、人工乾燥をして含水率を落とし、適正在庫を持ち、大量注文に応じられる外材に注文がいくようになるのはビジネスの道理です。大量マーケットのある首都圏の神奈川・埼玉・千葉県でさえも、木造住宅一軒分の乾燥木材を国産材で揃えることは容易でありません。

反面、これほどまでに対応してこなかったということは、改善の余地が大きいということです。日本の森林は1~5haくらいの小規模の地主が多く、合理化を阻んでいます。手入れされずに荒れ放題となり、所有者さえはっきりしない「不在地主」が激増しています。

そのような山林を持っていると出費がかさむだけだと、負担に思っている地主に呼びかけ、50~100年スパンで管理の委託を受けます。それらを統合し、林道を整備し、適度な機械化や牛や豚を山に放し飼いにする「山地酪農」で、最も人件費がかかる下草刈りや枝払いの作業をなくします。育林のコストを大幅に下げるなどの可能性を探り、合理化を促進する活動を、「森の駅発」では開始しています。