メルマガ67

持続可能な木材調達の流れをめざす 「FAIRWOOD PARTNERS」 の活動
諸塚村の挑戦! 「フェアウッド商品のアイデアコンペと展示施設の募集」
山小屋通信–9 「鹿の活躍」

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「FAIRWOOD PARTNERS」の活動

すでに当メルマガ65号で紹介済みの、10月23日(金)に国連大学ウ・タントホールで
開催されたWISE FORUM 2015。そのフォーラムをワイス・ワイスと共に主催した
フェアウッド・パートナーズは、木材の調達を環境問題解決の視点から支援。
そのユニークな活動はどんな仕組みになっているのか?
同団体の資料から知ることは、我々にヒントを与えてくれるかも知れない。
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【フェアウッド・パートナーズとは?】 
http://www.fairwood.jp

フェアウッド・パートナーズは、住宅や建設、家具、紙など、木材に関わるビジネスにおける
木の流れを透明に、そして持続可能にするための支援を活動内容とする。
これからのビジネスと地球環境を考え、環境と社会へのリスクが小さい木材調達を考える人に、
現地とのつながりと豊富な経験を生かした情報とコンサルティングを提供する。
業務は、国際環境NGO FoE Japan と、地球・人間環境フォーラムとの共同実務であり、
協力団体として(財)地球環境戦略研究機関(IGES)が調査・研究の補助を行う。

● 活動内容
■ フェアウッドを調達するための支援・アドバイス
■ 世界の森林やフェアウッド調達についての調査・分析
■ 世界の森林やフェアウッド調達についての情報収集・発信
● フェアウッド調達とは、環境と社会のことを考えた木材調達。
ビジネスで木の流れを、きちんと取引先や消費者に説明し、クリーンにするためには、
専門的な知識と国内外のネットワークが必要となるが、フェアウッド・パートナーズは、
環境と木材のスペシャリストが、フェアウッド調達実現のサポートをする。
● フェアウッドとは、伐採地の森林環境や地域社会に配慮した木材・木材製品。
修理・再生した木製品(Reduce, Reuse) 
古材や廃材を再使用した木製品(Recycle)
最低限、違法伐採でない木材(合法材)
近くの森林から生産された木材(国産材、顔の見える木材)
地域住民が自ら適切に森林管理している木材(コミュニティ材、フェアトレード)
信頼できる第三者機関の森林認証を受けた木材(森林認証材)

● なぜフェアウッド調達なのか?
■ 生物多様性保全に配慮し、温暖化の影響を小さくすることができる。
持続可能な管理がされている森林では、森林再生が適切に行われるので、
その木材を伐採して使っても、二酸化炭素の排出を抑えることができる。
また、多様な命を育み、水源を守り、土砂災害を防ぐなどといった、
森が持つ公益的なはたらきを保ち、生物多様性の保全にも配慮できる。
■ 消費者が木材製品を選ぶときの参考になる。
物を選ぶときに、環境や社会に良い製品を選ぶ消費者が増えている。
イメージだけでなく、きちんとした取り組みをしている企業の製品を買う。
フェアウッド製品は、そんな消費者が木材製品を選ぶときの参考になる。
■ グリーン調達の流れを先取りできる。
政府や住宅メーカーなどでは、木材製品の合法性・持続可能性の確認を求める
「グリーン調達」が広がっている。フェアウッドはその先を行く木材調達のかたちだ。
(以上、同団体パンフレット 「木の流れから、未来をつくる。 FAIRWOOD PARTNERS」から)

【国際環境NGO FoE Japanとは?】
FoE Japan は国際環境NGO FoE International のメンバー団体。
FoE(Friends of the Earth)は1971年、米国の環境活動家、ディビッド・ブラウワーの提唱で設立。
世界77ヵ国に、2000万人のサポーターを有する国際的環境団体のネットワーク。
先進国のみならず、発展途上国や旧共産圏を多く含み先進国に偏らない視点を大切にしている。
FoE Japan はFoE のメンバー団体として1980年に設立。
(以上、同団体パンフレット 「Be a Friend of the Earth! 地球のサポーターになろう」から)

【地球・人間環境フォーラムとは?】 11月10日開催の国際セミナー紹介から
「国際セミナー 違法伐採対策と合法木材貿易の振興」
内容/オランダ大使館によるEUにおける違法伐採法の実施と施行の紹介・議論
日時/2015年11月10日(火)10:00〜12:00  場所/衆議院第1議員会館国際会議室(1F)
主催/オランダ王国大使館 
共催/EU代表部、英国大使館、デンマーク王国大使館、フィンランド大使館、スウェーデン大使館、
スペイン農業・環境省、EU森林法施行・ガバナンス・貿易(FLEGT)アジア
協力/フェアウッド・パートナーズ(国際環境NGO FoE Japan、地球・人間環境フォーラム)、GR Japan K.K
問合せ/地球・人間環境フォーラム(担当:飯沼、坂本)Eメール:event@gef.or.jp TEL:03-5825-9735
その他/参加費無料 日本語/英語 同時通訳付
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「諸塚村の挑戦」
さらに同日開催されたWISE FORUM 2015では、
自治体の国産材への取り組み例を代表し、
宮崎県諸塚村企画課長兼地方創生担当課長の矢房孝広氏が、
フェアウッドで都市空間を楽しく!というタイトルで、諸塚村の挑戦を紹介した。
その一端としてアイデアコンペを企画、広く募集している。
          
【宮崎県諸塚村より、フェアウッド商品のアイデアコンペと展示施設の募集】
諸塚村森林認証研究会
自然素材を使った家づくりの提案や体験交流ツアーなど地域資源、地場素材を活用した
齢と山村との独自の交流で、持続可能な地域づくりを実践する諸塚村。
単なる素材の直売や観光開発に終わらない、人にも、地球にも優しい生活提案型の
フェアウッドを活用した、オフィス、店舗、公共施設等の内装商品を開発し、
都市空間にフェアウッドの森を広げたい。
そんな思いの広がるアイデアコンペ。(諸塚村募集チラシより)

アイデアコンペ
募集作品/事業所空間(店舗、オフィス等)の内装空間でのフェアウッドの活用アイデア。
特殊なデザインではなく、パーツの産地生産で、セルフ・ビルド程度の施工に絶えられるもの。
提出物/応募様式(諸塚村ブログよりダウンロード)
(A4サイズ片面、複数枚可)に次の内容を記入すること。
①出品者 ②作品タイトル ③コンセプト ④図面・詳細図 ⑤コスト ⑥アピール
応募締切/2015年11月30日(月)当日消印有効
結果発表/2015年12月下旬(予定)応募者に個別に通知
表彰/最優秀賞(諸塚村賞)(1点)賞金10万円    優秀賞(FSC賞)(2点)賞金5万円
著作権等/意匠権は、主催者に属する ※フェアウッド活用の場合はフリー

2.展示活用施設の募集
募集施設/事業所空間(店舗、オフィス等)で内装空間でのフェアウッドコンペの
入賞作品が展示できるところ
展示条件/①指定のフェアウッド商品を一般の方が随時見学可能な状態で展示ができること
(展示開始が2016年3月上旬以前であること)
②資材を無償で提供するほか、必要経費の一部を予算の範囲内で負担
③事業終了後も希望する期間は継続して展示可能。
ただし、必要経費は展示者負担とし、展示終了後は作品返却。
提出物/用紙(A4サイズ片面、複数枚可)に次の内容をレイアウトすること。
作品タイトル ②コンセプト ③平面・立面・断面(概略寸法)
出品票(公式ホームページよりダウンロード)を必ず添付すること。
応募締切/2015年11月30日(月)当日消印有効
結果発表/2015年12月下旬(予定)応募者に個別に通知
【提出先】〒883-1301 宮崎県東臼杵群諸塚村大字家代2683 諸塚村森林認証研究会
TEL. 0982-65-1116   E-mail mkikaku@morotsuka.jp
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山小屋通信–9 「鹿の活躍」 大森 明

ここ数年、山で鹿によくお会いする。
大鹿、小鹿が、何頭も山から下りて来ているときもある。
ひたすら地面の草や竹の葉を食べている。
以前から鹿が山からよく下りてきていたが、
今より数がはるかに少なく、敷地内の草を食べていても、
「鹿さん、草刈りのお手伝いありがとう」というレベルだった。
食後に敷地内に置いていく正露丸のような糞の数をみれば、
頭数の増加は明らかで、
この地域でも山の鹿が増え、食害などが問題になっているようだ。
鹿は、朝も昼も夜も、地面の草をモグモグしている。
なぜか土を食べているときもある。
さすがに夜中は見ないが、夜の9時くらいに天の川や流れ星を見に、
ほろ酔い気分で小屋から出ていくと、
暗闇の中からガサゴソ、ガサガサッ、
という落ち葉や枯れ枝を踏みながら逃げる音、
そして必ず「ピイツッ、ピイ」という警戒の鳴き声。
懐中電灯を照らすと、
たまに好奇心が旺盛な小鹿が逃げずに残っていて、
すぐ近くからこっちを凝視して立っていることもある。
油断すると、おっと後ろにもう一頭ということもある。
=次号に続く=
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