メルマガ14

1 シリーズ「森から生まれる産業」~第3回「山地酪農~本物の牛乳は白くない」
2 森の駅発「富士見高原プロジェクトについて」第1回
3 森の駅推進協議会主催 研究会のご案内
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☆彡1 「山地酪農~本物の牛乳は白くない」
岩手県中洞牧場の中洞正さんのお話から第2話です。

皆様は、ふつうに、牛乳の色は「白」と思いますよね。
でも、それは不自然な色だったのです。
放牧されて育った牛の牛乳は黄色いがかったクリーム色です。
その理由は、
「緑の草に含まれるカロチンがそういう色にさせます…
バターや肉の霜降りの部分は、
黄色くなります」と中洞さんは説明します。(※1)
ではなぜ、ふつうに出回っている牛乳は白いのでしょうか。
それは、牛の餌が変わってしまったから・・・。
「今の牛は新鮮な青い草を食べることはなく、穀物中心の餌ばかり食べています」。

牛の餌から青い草が消えた大きな理由は脂肪成分の%にありました。
「もともと放牧で草を食(は)んで育った牛から搾った牛乳の脂肪成分は
通常 3.2~3.5%程度であることが多かったのです。しかし、
1987年、大手乳業各社と農協によって、
基準値である3.5%を下回ると
生乳の買取価格を半値にするという取り決めがなされたため、
酪農家が収入を維持するには
牛乳の脂肪分を高くする以外になくなってしまいました。
その結果、酪農家は牛に栄養価の高い餌を与えなければならなくなり
カロリーの高い穀物配合飼料を食べさせるようになりました」。

青い草は水分があるため、脂肪分の高い濃い牛乳を大量に生産するには適さないということなのです。
また、
「牛肉の場合は「さし=脂肪」が白くなければランクの高い肉と評価させません」。
ということで、牛の餌は、青草ではなく穀物中心になってしまいました。

でも、牛は 草を消化吸収するために、4つの胃があり
穀物を吸収するための働きをするのは4つ目の胃だけなのだそう。
「草を消化するための胃に穀物が押し込められるので
牛の体には様々な異変が生じるようになり
薬に頼らざるを得なくなりました」。

また、放牧も
牛が運動するとエネルギーが消費されて
乳脂肪分が下がってしまうので
避けられるようになりました。
ですので、牛は運動することもできなくなりました。

「牛乳パックに描かれているように、
青空の下、どこまでも続く緑の草原で
ゆったりと暮らす牛は事実ではありません」

事実は 「薄暗くて狭い牛舎につながれた牛が
配合飼料をもそもそと食べさせられ
乳を搾り取られる」
という姿でした。

私たちが、普通に口にする牛乳は
自然の摂理に沿わないやり方で
生産されるようになってしまいました。

中洞牧場では 昔ながらの山地酪農(※2)で
牛は放牧され、青草を食んで育っていますが
乳脂肪分の多いジャージー種のため、
乳脂肪分の下がる夏場でも3.5%を上回るそう。

また、山地酪農の牛は
「いろいろな種類の草を食(は)んでいるので
抗酸化物質もたくさん含まれています」

「神の与えた最良の飲み物が牛乳」
と中洞さんは言います。

「なぜ、そのような牛乳が
コカ・コーラより安く売られなければいけないのか」
とも言います。

ほとんどの山地酪農家は
乳脂肪分の買取制限のため
牛乳を正当な値段で買ってもらえないため
廃業に追い込まれてしまったそう。

そして、私たち消費者は
本物の牛乳を口にすることができなくなりました。

でも、山地酪農は
今再び注目され始めました。
本物嗜好の人たちが
健康な牛乳や乳製品を求めるようになりました。
また、森の再生に
牛はいい働きをしてくれることも
分かってきました。

次回は、山地酪農と森林再生効果を予定しています。

※1 「本物のバターは白い」と言ったグルメ研究家もいるそうですが、
それは、青草を食べさせていない牛から搾った牛乳から作ったもの。
着色料で黄色くしているバターと比べて言っています。
本物の本物のバターは黄色いです。

※2 山地酪農とは 里山や山林を酪農の場として活用するやり方。
荒れた放置林の手入れになる点でも注目されている。


☆彡2 森の駅発「富士見高原プロジェクト」について 第1回

森の駅発ならではの
リゾートプロジェクトが開始されました。
場所は長野県の富士見高原です。
幹事の連携プレイにより
森と人の共存が可能な
無垢の木材をふんだんに使った
健康的な住環境リゾートを提供可能になりました。
富士見高原別荘地は分譲開始から約40年経過し、完売していますが、別荘未建設の別荘地が1000㎡で500万円程度の価格から仲介で購入可能です。

澄んだ星空の下、清らかな空気で
南アルプスを一望できるウッドデッキ等のある
リゾート暮らしが可能になります。

まきストーブで自然エネルギーを確保
菜園で無農薬の新鮮な野菜を作ったり
毎日、山や自然と向き合える暮らしに…
森を愛する人にぴったりの場です。

「天空の遊覧カート」が登場して、お年寄りにも小さな子供にも森と絶景を楽しんでもらえるようになりました。
TVCM制作のお手伝いもしましたので、ぜひご覧ください。↓

次回は、市川設計事務所代表で一級建築士でもある市川幹事による
自然を満喫できる「宙(そら)」プランをご案内します。

※富士見高原について
・中央高速で新宿から2時間10分、小淵沢インターから8分
・町の公営水道完備
・年間の日照時間 2000時間超(年間7~8割が晴天に恵まれる)
・湿気が少ないカラッとした土地
・常に南向きのそよ風が吹いている高原
・未利用の分譲地が約1000区画あります。
・近くに24時間営業の大型スーパーや農協が経営する地産地消のマーケットがある。


☆彡3 森の駅推進協議会主催 研究会のご案内
(すみません残り後数席です)

いつも専門家の方々にお呼び掛けしている研究会ですが
残り数席で申し訳ないのですが、
今回、オープン席もご用意いたしました。
ご興味ある方はいかがでしょうか? 満席になり次第締め切らせていただきますのでご了承くださいませ。m(_ _)m

講師 東大名誉教授の有馬孝禮博士
博士は、木材の資源利用面だけでなく、文化面、健康面についても様々な提言をされ
木材利用技術の世界的な研究者です。

以下 森の駅推進協議会 岡本代表からのコメントです~
森林問題に環境の視点から踏み入り国産材使用、健康、安全を、森の駅発の理念とし、
「住む人が元気になるような住宅を提唱・実践することが日本の森を元気にする」との信条のもと活動している森の駅推進協議会ですが、
有馬先生は、早くから、木材利用を
単に低炭素社会実現の為でなく、
資源の持続性、体と心の側面から
暮らしに木を取り入れようと提唱されています。
とくに木材利用を取りまく同世代間の連携(空間的連携)と世代を超えた連携(時間的連携)の重要性を強調されています。
現在の住宅メーカーの多くは、素材よりも、利便性、恰好やデザイン重視が主流になり、
さらに高気密、高断熱で、
自然との共生にやや逆らった暮らしを主導しています。
その結果、切れる若者や不健康な長寿者が増えると云う……
その一端を担っているかのようです。
これを少しでも糺すのが積年の課題ですが、この度、先生と長くお付合いのある市川皓一幹事のお世話で、先生をお招きすることになりました。ご参加の皆さまとご一緒に歓迎致したいと思います。久方ぶりの研究会ですが、皆さまのご来駕を楽しみにしております。
なお、ご多忙な方は、HP「森の駅発」をご覧になって戴ければ幸甚です。

 記
1 月日時:平成24年7月25日(水曜日)18:30-21:30
2 場 所:「ベニーレ・ベニーレ」(澁谷区神宮前四丁目31-10 YMスクエアー5F)
3 講 師:有馬孝禮博士(東京大学 名誉教授 元宮崎県木材利用技術センター所長)
4 話 題:「木の家、木の町が世界を変える」(仮題)
5 会 費:3500円(軽食付き)