メルマガ125

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「森の駅発」メルマガ NO.125 2020 January

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。  森の駅推進協議会一同

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C・O・N・T・E・N・T・S

★令和第1回 森の駅発市民フォーラム開催予告 西村 一孝
 「3月24日 『生活の木』の重永社長を迎えて」
★ 木材関連展覧会レポート 戸田 吉彦
 「タウト、レーモンド、剣持、ジョージ・ナカシマ、イサム・ノグチ
  が示す日本のモダンデザインと自然素材」
★ 山小屋通信 大森 明
 「センリョウ(千両)・ マンリョウ(万両)」


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令和第1回 森の駅発市民フォーラム開催予告 西村 一孝
「3月24日『生活の木』の重永代表を迎えて」

待望の市民フォーラム、今年最初の開催予告です。
申込の詳細は次号2月配信メルマガでお知らせ致します。
皆様のご参加をお待ちしています。

日時:2020年3月24日(火)18:30~21:00
講師:株式会社 生活の木 www.treeoflife.co.jp 
   代表取締役 重永 忠 氏 
会場:リストランテ ベニーレベニーレ原宿表参道
   東京都渋谷区神宮前4-31-10 
   YMスクウェア原宿 6 F
会費:3,000円(軽食込)
定員:30名

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木材関連展覧会レポート 戸田 吉彦
「タウト、レーモンド、剣持、ジョージ・ナカシマ、
 イサム・ノグチが示す日本のモダンデザインと自然素材」

美術展鑑賞は昔から好きだが、最近は特に日本の美術とデザインに関心が向く。
初詣は東京国立博物館、岡田美術館、次の週末にパナソニック汐留美術館を訪れた。
トーハク(東博)では高円宮根付コレクションの精緻な工芸美術に刮目し、
岡田美術館では江戸時代以来の歴代の豪華な屏風・掛け軸の名品に酔い、
パナソニック汐留美術館では日本のモダンデザインの黎明期に感銘を受けた。

汐留開催(1月11日~3月22日)の「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」は、
高崎市美術館(昨年2月2日~3月31日)東北歴史博物館(7月13日~9月1日)
で昨年開催された巡回展の最終展示、すでにご覧になられた方もおられよう。
この展覧会は日本美を世界に紹介した有名なブルーノ・タウト(1880-1938)、
ライトの帝国ホテル建設の協力に来日したアントニン・レーモンド(1888-1976)、
彼らの薫陶を受けた剣持勇(1912-71)と、ジョージ・ナカシマ(1905-90)、
レーモンドや剣持と交流したイサム・ノグチ(1904-88)の足跡を紹介する。
1928年に日本初のデザイン指導機関として商工省工芸指導所を国が設立し、
1933年に来日したタウトが嘱託に招かれ、剣持らの指導にあたったのである。
また高崎の事業家、井上房一郎の家具工芸店「ミラテス」にレーモンドが来店し、
翌年は井上がタウトを高崎に招き、タウトとレーモンドは井上を介し顔を合わせ、
その後レーモンドは日本に里帰りした日系二世のジョージ・ナカシマを指導する。
戦争の足音が聞こえる不安な時代で、タウトは離日しやがて早くして亡くなるが、
彼ら世界的建築家やデザイナーが日本建築や意匠に機能美を発見した感動と、
日本がモダンデザインを風土に馴染ませようとする努力が見事に合致した、
稀有で美しい東西融合の一時期であったことが展示品から伝わってくる。

詳しくは開催中の展覧会をご覧頂くに限るが、短い滞日のタウトが残した建築
「旧日向別邸」を撮影した動画をはじめ、椅子や照明、工芸品や什器のデザインの
数々を、実物と図面から総体的に確かめられる機会は得難い。

タウトもレーモンドも竹材木材の使用が多く、全て自然素材といっても過言でない。
それは二人の薫陶を受けた剣持やジョージ・ナカシマの木工の芸術的美しさや、
やはりイサム・ノグチの世界的に有名な照明が竹と和紙から出来ていることからも、
如何に竹や木の自然素材を重視し、次代に伝えようとしたかが感じられる。
そしてまた同時に我々も、美しさの観点から木・竹製品を選択しても、
環境問題解決と林業の活性化に貢献すると教えられる。

展覧会場にはそれぞれの遺された名言が作品と共に表示されていて趣き深い。
最後にジョージ・ナカシマの言葉から、モダンデザインと自然素材が分かち難い
彼の作品の魅力を皆様と共に再考したい。

We meditate with a board sometimes for years.
We search for the essence, to share its joys and tragedies.
A thousand experiences and skills spring into action.
We are waking sometimes. George Nakashima ‘The Soul of a tree’

我々は時には何年も、一枚の厚板を前に黙想し続ける事がある。
我々は木と喜びを分かち合うための手がかりを、探し求めているのである。
ジョージ・ナカシマ「木のこころ-木匠回想録」1983

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山小屋通信 大森 明
「センリョウ(千両)・ マンリョウ(万両)」


昨年、当協議会主催の野外勉強会に参加して森や樹・草花のことをいろいろと学んだ。
そのうえ、個人的には植物画を描くという新しい分野に進むことができた。
きっかけは野外勉強会で訪れた小石川植物園で出会ったレトロな植物画。
これで植物画にはまり、スケッチブックを持ってあちこちの植物を描くようになった。

描く植物が減ってくる冬になり、常緑で綺麗な赤い実をつける
センリョウやマンリョウが描く対象になった。
どちらも縁起ものとして正月の生花や飾りに使われるという程度は知っていたが、
正直に言うと描く前はどちらがセンリョウなのか判っていなかった。

スケッチをして気づいたことだが、
センリョウは赤い実が葉より上の位置に付き、
マンリョウは葉の下側に赤い実がぶら下がっている。
葉のつき方はセンリョウは対生で、マンリョウは互生だ。

葉の色味と形もよく見るとだいぶ違う。
名前からして同じ仲間と思っていたが、
おやと思って調べてみると植物分類上は別の一族だった。
(センリョウはセンリョウ科センリョウ属、マンリョウはサクラソウ科ヤブコウジ属)。

一方でマンリョウの仲間には同じように赤い実をつける
ヒャクリョウ(百両)とジュウリョウ(十両)があると知った。
どれも貨幣経済の進展のもとで実の数の多寡などをもとに
十両から万両までの金額を名前にいただいたようだ。

江戸時代までセンリョウは千両でなく“仙蓼”という字だったといい、
マンリョウはアカギ、ヒャクリョウはカラタチバナ(唐橘)、
ジュウリョウはヤブコウジ(藪柑子)と呼ばれ、万葉集ではジュウリョウは“山橘”だ。

また、センリョウの仲間に金銭絡みの名前を持つものは見当たらず、
むしろ登山中に山で見かける私好みのヒトリシズカという
白い小さな花をつける植物が仲間だと知り、何だか嬉しい。

当方は悲運の白拍子の舞や古の雰囲気を持つ名前の方が好みなのだが、
やはり我家もお正月には大判小判ザクザク的な名前の
センリョウとマンリョウを毎年飾り、
併せて今年は植物画描き初めのモデルも務めてもらった。

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 森の駅推進協議会では、日本の森林産業停滞の解決へ向け、森の駅発と称し、
 下記の活動を行っています。あわせてご参照の上お役立て頂ければ幸いです。

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1「市民フォーラム」開催:
日本の森と日本の森が産み育てる国産木材、それを活かす健康な住環境をはじめ、
生活者の目線で市民の皆様の理解をすすめる講演会を広範囲な視点から企画開催。
内容や開催日など当メルマガ(下記3)でお知らせします。

2「健康住宅/森の駅発」の活動:
日本の森を元気にする!住む人を元気にする!住まいづくりのため集まったプロ
集団が「森に愛される家」を普及します。イベント情報もお届けします。
       http://www.moriniaisareruie.com/

3「メールマガジン/「森の駅発」メルマガ」発行:
フォーラムや研究会のお知らせを、原則として毎月1回発行しています。
このメールマガジンのお問合せはこちらまで:happysun9@gmail.com

4「フェイスブック」の発行:
森の駅発のフェイスブックでも発信しています。仲間を募集しています。
       https://www.facebook.com/健康住宅森の駅発-110930398990272/

5「ホームページ」の掲載:
上記の実績や森の駅推進議会全般については、森の駅発のHPをご覧下さい。
       http://www.morinoekihatsu.net/

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